ある日、風呂上がり。 リビングに行くと、洋子さんが焦っていた。 「洋子さん、どうしたの?」 「涼がいないの。スマホも置いてったみたいで」 夜の10時半。 何してんの、あの子。 俺は髪も乾かさず、すぐに家を飛び出した。 どこ行ったんだ。 俺が嫌だから、出ていったの? そんなことを考えながら、街を走り回った。 涼ちゃんの姿を探して、コンビニの明かりに目を向けた。 ――いた。 涼ちゃんが、変な男に絡まれていた。 その男が、涼ちゃんの手を掴んでいた。 その瞬間、頭が真っ白になった。