廊下ですれ違ったり、階段で見かけたり、購買で遠くにいるのを見つけたり。
涼ちゃんを見かけることは、何度もあった。
でも――
涼ちゃんは、同居する前に戻ったみたいで、
俺のすぐ横を通り過ぎても、一切目を合わせてくれなくなった。
まるで、俺が透明になったみたいに。
普通に悲しかった。
寂しかった。
もっと俺がうまくやれてたら。
もっと優しくできてたら。
…なんて、今さら思ってももう遅い。
涼ちゃんの中で、俺は“嫌な人”になってしまった。
それが、どうしようもなく苦しかった。
前よりも、大きく心に穴が開いたみたいで。
涼ちゃんを見かけるたび、その穴が広がっていく。



