教室に入ると、いつものように声がかかる。
「晴人、おはよう」
その顔を見た瞬間、吐き気がした。
あの時の、母さんの笑顔と重なって見えた。
俺は無視して、席に座った。
「晴人、元気ない?」
お前らのせいだろ。
そう思いながらも、言葉にはしなかった。
涼ちゃんに、本格的に嫌われちゃったな。
そう思うと、胸がじんわり痛くなった。
あー俺、思ってたより涼ちゃんと一緒にいるの、楽しかったんだなー。
一緒にご飯食べたり、すれ違ったり、たまに目が合ったり。
それだけで、心が少しだけ穏やかになってた。
でも、もうそれも終わりか。



