次の日の学校。
いつも俺の周りにいる女子たちが、涼ちゃんのことを話していた。
「昨日の女、さっき玄関で見かけたけど普通の顔しててまじむかつく」
「晴人もなんであんな女にだまされるんだろーね」
――殺してやろうかと思った。
頭の中が真っ白になって、拳が勝手に震えた。
涼ちゃんは、何もしてない。
ただ、泣いてただけ。
ただ、傷ついてただけ。
それなのに、なんでこんなこと言われなきゃいけないんだ。
「晴人、顔怖すぎ。ちょっと落ち着け」
後ろから、大智の声。
「はあー…」
深く息を吐いて、拳を握りしめた。
「お前が問題起こしたら、もっと柴崎さんが居づらくなるぞ」
涼ちゃんには、平穏に学校生活を送ってほしい。
あんなにまっすぐで、綺麗で、優しい子が、
俺なんかに関わったのが、間違いだったんだ。



