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同居初日。
涼ちゃんは、俺の顔を見るなり、みるみる真っ青になった。
…え、そんなに?
俺の名前は知ってたみたいだけど、その反応は明らかに“嫌悪”だった。
まあ、仕方ないか。
俺の噂なんて、学校中に広まってるし。
涼ちゃんは、そういうの全部知ってたんだろうな。
一緒に過ごすうちに、涼ちゃんが俺みたいなクズを嫌ってるのが分かってきた。
でも、それが逆に心地よかった。
他の女子みたいに、顔だけで近づいてこない。
媚びない。
笑わない。
距離を保ってくれる。
それが、なんか安心できた。
涼ちゃんは、俺のことを好きになることなんてない。
それが、ちょうどよかった。
一緒にいるのが、不思議と心地よくて。
“本当の妹”みたいに思えてきた。
この子だけは、大切にしよう。
泣かせないようにしよう。
俺が、 誰かを守りたいって思うなんて初めてだった。
涼ちゃんだけは、俺の過去に巻き込んじゃいけない。
そう思った。



