「ねぇ、このクラスに柴崎涼っている?」
1年生の教室。
まだ行ってない、一番端の1組。
廊下から顔を出して、 出てきた女子に声をかけた。
「えっ!?晴人先輩!?」
その子は、 顔を真っ赤にして固まった。
…うん、慣れてる。
この反応、何度も見てきた。
“かっこいい”って言われるのも、“写真撮っていいですか?”って聞かれるのも、もう全部、慣れた。
でも、今日の目的は違う。
俺が探してるのは、“妹になる子”。
たぶん、もうすぐ一緒に住むことになる子。
どんな子か、ちゃんと見ておきたいだけ。
「いるかな?」
そう聞くと、1年の女子はもじもじしながら答えた。
「涼ちゃん、今日は中庭でご飯食べるって言ってました」
その仕草。
その声。
普通の男なら、 “可愛い”って思うのかもしれない。
でも俺は、 そういうのに慣れすぎてて、もう何も感じなくなってた。



