二人きりで外を歩くのは、久しぶりだった。
夜の街は昼間より少しだけ涼しいけど、それでもじんわり汗がにじむ。
カランカラン。
下駄の音だけが、静かに響いてる。
「しかし暑いな~」
先輩が、浴衣姿で腕を組みながら言った。
その姿、なんていうか――
国宝レベル。
やばい。
本気でかっこいい。
浴衣って、こんなに似合う人いる?
いや、いない。
少なくとも、私の知ってる中では断トツ。
「暑いの嫌いなのに、なんで急に?」
思わず聞いてしまった。
だって、先輩はいつも「夏むりぃ~」って言ってるのに。
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