目を開けると、部屋は薄暗くて、時計は七時を指していた。
…え。
私、寝てた?
気づいたら、先輩のベッドの横でうとうとしてたみたい。
「涼ちゃん」
先輩の声。
びくっとして顔を上げると、 先輩が目を覚まして、私を見ていた。
「おでこ、触ってみて」
言われるままに、そっと手を伸ばす。
…朝より熱くない。
大分、熱が引いてる。
「涼ちゃん、ずっと手握っててくれたの?」
その言葉に、心臓が跳ねた。
「あ…えっと、これはその…」
言葉に詰まる。
でも、私は誓ったばかりだった。
不安にさせないって。
ちゃんと伝えるって。
だから、私は言った。
「そうです。安心するかなと思って」
先輩は、ふっと笑った。
「俺、子どもみたいじゃん」
その笑顔は、 少しだけ目まで笑ってた。
…よかった。
でも、先輩。
昨日、私が泣いてたとき、 先輩が手を握ってくれたよね。
その時、私すごく安心したんです。
だから、今度は私が。
そばにいて、 手を握って、「大丈夫だよ」って伝えたかった。
それだけで、 心が少し軽くなるなら。
それが、家族ってことなら。
私は、何度でも手を握ります。
先輩が、安心できるように。

