ほんと、気づいてないんだろうな。 涼ちゃんはいつも、俺の壁をポーンと軽く飛び越えてきて。 何も言わずに、掬ってくれる。 涼ちゃんに出会えてよかった。 家族になれてよかった。 「ありがとね、涼ちゃん」 「なにがですかー?」 涼ちゃんは首をかしげて笑ってる。 その笑顔が、俺の世界をまるごと包んでくれる。 大好きだよ、涼ちゃん。