ヘラヘラ笑いながら手を振ってるこの男。

制服のブレザーを少し着崩している、金髪の整った顔立ち。



「2年の.....晴人先輩...?」


「お、知ってるんだ。嬉しいな〜」



ふざけたような口調。
その態度に、背中がゾクっとした。


柴崎晴人(しばさきはると)。


うちの高校で知らない人はいない。
顔よし、頭よし、女子にモテまくり。
だけど、同じくらい“遊んでる”って噂も多い。


毎年バレンタインチョコを200個貰ってるとか。
校内の8割(男子含む)は告白したとか。
令和版のレオナルド・ディカプリオとか。



……正直、

私が一番、関わりたくなかったタイプ。



「涼、紹介するね。改めましてお父さんになる柴崎由紀人さん。そして——」


「こっちは、その息子さん。晴人くん」



頭、追いつかない。