「ハッピバースデートゥーユー! ハッピバースデーディア涼ちゃん〜! ハッピバースデートゥーユ〜!!」
深夜0時。
リビングの灯りを落として、ケーキのろうそくが2人を照らす。
「おめでとう、涼ちゃん」
目の前に出されたショートケーキ。
柴崎涼。
本日、16歳の誕生日を迎えました。
「いや〜今だけ同い年だね」
先輩が、にこっと笑う。
「本当ですね!」
先輩の誕生日は2月。
だから、ほんの少しの間だけ同じ16歳。
今日は水曜日。
誕生日デートは、土曜日までおあずけ。
でも—— 「日付が変わったら絶対にお祝いしたい!」って 先輩が言ってくれて、今に至る。
一緒に住んでるからこそできたこと。
この環境に、改めて感謝したくなる。

