「留年するかなー」



ぽつりとこぼしたら、大智に変な顔をされた。



「しかも、最近バイト始めたんだろ?」



そう。
最近、俺はバイトを始めた。


理由は、涼ちゃんの誕生日が11月にあるから。
何かちゃんとしたものを贈りたくて。


時給もいいし、女もいない。
だから、メンズ専用のアパレルショップに決めた。


でも—— バイトで夜の帰りが遅くなって、涼ちゃんとの時間が減った。


涼ちゃんのために始めたのに、もし涼ちゃんが寂しい思いしてたら意味ないよなって思う。