「校門の前で、先輩のこと待ってたみたいで」
そう言うと、先輩は「はあー」と深いため息をついた。
その声に、少しだけ疲れがにじんでる。
「何か言われた?」
「先輩のこと…か、返してって」
言われたことを思い出すだけで、胸がぎゅっとなる。
悔しくて、悲しくて、でも何より——腹が立った。
「それになんて言ったの?」
「晴人先輩は絶対にあなたのことなんか好きになりませんって言いました。すみません」
言いながら、心が沈んでいく。
いくら最低な人とはいえ、先輩の元カノにそんなこと言うなんて。
私も最低だ。
感情に任せて、言葉をぶつけてしまった。
でも—— あの時、先輩を守りたかった。
誰にも渡したくなかった。



