「美冬のことで、不安にさせたよね」
先輩が、静かに言う。
その声が、優しくて、胸にじんわり染みる。
先輩は、いつも私のことを考えてくれてる。
ちゃんと見てくれてる。 気づいてくれてる。
でも、私は—— あの時、もし先輩が美冬さんのことを好きになったら…なんて、勝手に考えてしまった。
「先輩、ごめんなさい。私、自分のことしか考えてなくてっ…」
言葉が震えて、涙がにじむ。 そのまま、先輩の胸に飛び込む。
「涼ちゃん?」
先輩の腕が、そっと回ってくる。
そのぬくもりが、全部を包み込んでくれる。
本当に最低だ、私。
でも、先輩は何も責めない。
ただ、抱きしめてくれる。
その優しさが、苦しくて、嬉しくて。
涙がぽろぽろこぼれていく。



