急に、周りが静かになった。
「え、嘘。あれが晴人の彼女?」
「まじで?あの子?」
ヒソヒソと、ざわめきが聞こえてくる。
……やってしまったーーーー!!!!
ばか!何してるの、私!
顔が熱い。耳まで真っ赤。
逃げたい。穴があったら水になって入りたい。
チラッと、先輩の顔を見上げる。
……笑いこらえてる!? 口元がぷるぷるしてる!
「先輩…私…」
声が震える。
でも、先輩は優しく笑って——
「この際、公表しちゃおっか。大丈夫。涼ちゃんのことは俺が守るから」
そう言って、頭を撫でてくれた。
……きゅん。
心臓が、跳ねた。
その手のぬくもりが、全部を包み込んでくれる。
「そういうことだから、美冬、もう俺の前に現れないでね」
その言葉は、冷静で、でもはっきりしていて。
先輩の決意が、まっすぐ伝わってくる。
そして、私の手を取って—— 美冬さんを通り過ぎていく。



