階段を駆け上がりながら、スマホを取り出して、震える指でメッセージを打つ。
<今から行きます
送信ボタンを押した瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
2階の空き教室。 ドアをそっと開けると——
窓の外を見ていた先輩が、振り返る。
「あ、おつかれ〜」
そう言って、手を振ってくる。
……学ランのままだ。
まぶしいくらい、かっこいい。
教室の光が、先輩の肩に落ちて、まるで映画のワンシーンみたい。
「クラスTシャツ、かわいーね」
先輩が、ふっと笑って言ってくれる。
「せ、先輩は……かっこいいです」
……言っちゃった。
初めて、先輩に“かっこいい”って言った気がする。
言った瞬間、顔が熱くなって、思わず俯く。
恥ずかしい。 でも、言えてよかった。
先輩は、笑ってる。



