「では晴人さん!好きなタイプは?」
MCの声が、ステージに響く。
中庭の空気が、一瞬ピタッと止まった。
みんなが、息を飲んでる。 私も、同じように。
先輩は、少し面倒くさそうに—— でも、はっきりと言った。
「しっかりしていて真面目で、料理上手で、たまにおっちょこちょいで、俺が作った壁を簡単に乗り越えてくるような人」
……え。
その瞬間、先輩とバチッと目が合った。
遠くのステージから、まっすぐに。
その瞳が、私だけを見てる……気がする。
先輩は、笑って手を振ってきた。
周りの女子たちが「誰に手振ってんの!?」って叫んでる。
「よかったね、涼」
隣で花が、そっと言ってくれる。
顔が、熱い。 心臓が、うるさい。
もう、どうしようもないくらい。
一緒に回れなくて落ち込んでた。
ステージに立つ先輩を遠くから見るしかなくて、寂しかった。
でも—— そんなの、どうでもよくなった。



