「昨年に続き、圧倒的人気ですね~、意気込みの方をお願いします」
司会の声が、外から響いてくる。
その言葉に、思わずクスッと笑ってしまった。
なんて言うんだろう、先輩。
あの人、こういうのだるそうにするタイプだし。
昨日も「やだよ〜」って言ってたの、思い出して笑ってしまう。
でも——
「好きな人がかっこいいって思ってくれたらそれでいいんで。他のことに興味ないです」
……え?
先輩の声が、まっすぐ届いた。
暗幕の向こうから、はっきりと。
心臓が、ドクンって跳ねた。
一瞬、息をするのを忘れた。
それ、直接言ってくれればいいのに。
なんで、そんな大勢の前で言うの。
外からは、女子たちの叫び声。「キャーーー!!」「やばい!!」って、まるでアイドルみたい。
でも、私の耳には、先輩の言葉しか届いてない。
好きな人—— それって、私のことだよね? ……だよね?
会いたいな。 今すぐ、先輩の顔が見たい。
その目が、誰を見ていたのか、確かめたい。



