月曜日の朝。
教室に入った瞬間、花が言った。



「今日、学祭の係決めるらしいよ〜」



その言葉に、胸が少しだけ高鳴った。

学祭かぁ……。
晴人先輩と、一緒に回れたらいいな。


そんな淡い期待を抱いた瞬間——



「でも、晴人先輩忙しいだろうね〜」



花の言葉が、まるで冷たい水をかけられたみたいに私の心を一気に冷やした。



「なんで?」



思わず聞き返す。

花が、私の斜め前を指さす。


その指先を追って視線を向けると——



「……ミスターコンテスト!?」



掲示板に、でかでかと書かれた文字。
その下に貼られていたのは、見慣れた笑顔。
晴人先輩の写真。
「去年のミスター」って、堂々と書かれてる。

え……うそでしょ。 聞いてないんだけど……!