私はスープを飲みながら、無理やり思考を切り替える。 「新鮮っていうか、落ち着かないです」 「そっか。俺はけっこう楽しいけど」 その笑顔が、また軽くて、ずるくて。 昨日の記憶が、じわじわと蘇ってくる。 「一緒に登校する?」 先輩が、食器を片付けながら言った。 私は、スプーンを置く手を止める。 ……人目がある。 学校で一緒に歩いてたら、絶対噂になる。 「いえ、いいです。人目があるので」 なるべく冷静に、でもちょっと早口で答える。 先輩は「そっか」と言って、特に気にした様子もなく笑った。