チラッと隣を見ると、先輩がこっちを見てた。
「ん?」
優しい顔。
ふわっとした笑顔。
その瞬間、胸がギュってなった。
……ずるい。 そんな顔されたら、好きって気持ちが溢れそうになる。
映画は、もう終盤。
画面の中では、主人公たちがついにキスをする。
……え。 ちょっと待って。
先輩とこんなシーン見るの、恥ずかしすぎるんですけど!
顔が熱い。
目のやり場に困る。
心臓が、また忙しくなってる。
映画が終わって、私はわたわたと動き出す。
なんか、落ち着かない。
なんか、変な空気。
「どうしたの、涼ちゃん」
先輩が、いつも通りの声でそう言った。
でも、私の頭の中はさっきのキスシーンでいっぱい。
……なんで恋愛映画なんて選んじゃったんだろう。



