私は、ただ黙って座っていた。
手は膝の上でぎゅっと握りしめてる。
心臓が、耳の奥でドクドク鳴ってる。
「一緒に住んでて兄妹として、絶対にあってはならないことって分かってるけど…」
先輩の声が少しだけ震えていた。
でも、言葉はまっすぐだった。
「俺が涼ちゃんのことを好きになってしまいました。すみません」
そう言って、先輩は深く頭を下げた。
違う。
好きになったのも、付き合いたいって言ったのも、私の方が先だった。
先輩はずっと迷ってた。
「やめよう」って言ってくれてたのに、私が我儘を言った。
なのに、先輩が謝ってる。
全部、自分のせいみたいに。



