「でも何で今日、急に?」
ショッピングモールの雑貨屋さんで、ふと聞いてみた。
先輩は、棚の向こうから顔を出して少し照れたように言った。
「涼ちゃんに我慢させてると思って」
その言葉に、胸がじんわり熱くなる。
「そんな私、我慢なんて…」
付き合わないって言われたとき、 正直すごくショックだった。
いちゃいちゃしたいって言って、押し倒されて、キスされて、そのあと「寝る」って言われて。
散々なこと言ったし、思ったし、心の中はぐちゃぐちゃだった。
でも―― こうして一緒にいるだけで、 なんかもう全部どうでもよくなってくる。
先輩と並んで歩いて、 同じもの見て、 同じ時間を過ごしてる。
それだけで、十分すぎるくらい幸せだって思った。
そもそも、同じ家にいるってだけですっごく贅沢だよね。



