涼ちゃんは、顔を真っ赤にして、でも真っすぐ俺を見て言った。
「私、先輩のことが好きです」
「は?」
「先輩がどんだけクズ野郎だったとしても、私は先輩が好きなんです! 許可なくキスしてきたことは、これでチャラにします!」
涼ちゃんは、プンスカ怒ってる。
でも、その目は泣いてたときよりずっと強くて、まっすぐだった。
「自分が何言ってっか分かってんの?普通怒るでしょ」
声が震えた。
怒ってほしかった。
拒絶してほしかった。
だめだよ、涼ちゃん。
俺みたいな奴を、許したら。
「…だって、好きだから」
涼ちゃんの声は、震えてた。
でも、その言葉はまっすぐで、優しくて。
なのに―― 俺は、耐えきれなかった。
「そうだとしても!もう一緒に暮らせないだろ!」
声が、思ったよりも大きく響いた。
涼ちゃんがびくっと肩を揺らして、目を見開いた。



