大智と花ちゃんを家まで送って、
気づいたらもう、自分たちの家に着いていた。
「洋子さん、運転ありがとー」
そう言うと、洋子さんは笑って手を振った。
「全然よー、夜ごはんまだだからゆっくり休んでてー」
その声を背に、荷物を持って2階へ向かう。
今日は疲れた。
いろいろありすぎて、頭がぐちゃぐちゃだ。
階段を上がって、部屋の前に立った瞬間―― 後ろから、服の裾が引っ張られた。
「先輩、ちょっと話が」
振り返ると、涼ちゃんが顔を赤くして、目線を合わせずに立っていた。
その姿を見ただけで、また気持ちが溢れそうになる。
「…これ置いてからいくね」
そう言って、荷物を抱えたまま部屋に入る。
涼ちゃんの部屋に入って、落ち着いていられる自信なんてない。
でも、逃げるわけにもいかない。
深呼吸して、荷物を置く。
心臓の音が、やけに大きく聞こえる。



