「あー、一番穏便に済むかなと思って」
そう言って、かき氷を持っていく先輩。
…そうだよね。
先輩にとって私は、妹。
守る対象であって、恋愛対象じゃない。
でも先輩。
思わせぶりがすぎますよ。
“彼氏”って言ったり、助けてくれたり、笑ってくれたり。
その全部が、私の心を揺らしてくる。
涙を堪える。
泣きたくない。
ここで泣いたら、本当に“妹”になっちゃう気がして。
「涼ちゃん、行かないの?」
先輩の声が、少しだけ遠く感じた。
「今行きます!」
笑顔を作って、声を張って走り出す。
でも、心の中では叫んでた。
先輩。
私、先輩のこと好きなんですよ。
妹じゃなくて、“ただの後輩”でもなくて。
ちゃんと、好きなんです。


