浅いほうへ行って、なんとか乗ってみたけど―― バランスを崩して、ひっくり返った。 鼻に水が入ってくる。 目を開けても、どこが上か分からなくて。 怖い。 どうしよう。 そのとき―― 腕を掴まれて、 水面上へ。 「ぷはっ」 水面に顔を出した瞬間、息が苦しくて、でもそれ以上に―― 目の前にいたのは、晴人先輩。 「大丈夫!?なかなか上がってこないから心配した」 その声が、波の音よりも優しくて。 その顔が、太陽よりもまぶしくて。 助けてくれたんだ。 私のこと、ちゃんと見てくれてたんだ。