「ほんとはさ…」
卵焼きをつつきながら、ぽつりとこぼす。
「キラキラJKとして、学校生活エンジョイしたかったの」
花は口いっぱいに唐揚げを詰めながら、うんうんと頷いてる。
「なのに、なのにだよ!?男の人に肌を見られるなんて、屈辱すぎる…!」
私の声がちょっと震える。昨日の脱衣所事件、まだ心に深く刺さってる。
「しかも相手、あのプレイボーイ先輩だよ?最悪すぎる」
花は口元を押さえて笑いをこらえてるけど、目は完全に楽しんでる。
「でもさ~、涼って意外と乙女だよね。肌見られたくらいでそんなに動揺するなんて」
「そんなの当たり前でしょ!?JKの尊厳だよ!?青春の純度が下がった気がする…」
「純度って…」
花はとうとう吹き出した。
私は、窓の外を見る。雲がふわふわしてる。 ああ、あれくらい軽くなりたい。
でも現実は、先輩と同居中。
尊厳も、純度も、守るのが難しすぎる。


