この恋、予定外すぎて困ってます


***



同居生活、3日目。
学校に来ても、まだ昨日の衝撃が抜けない。


昼休み。
教室でお弁当を広げながら、私はそっと話した。



「……昨日、お風呂入ろうとしたら、先輩が脱衣所に入ってきて」


「えっ!?えええ!?それって、見られたってこと!?」



花の声が、風よりも高く響いた。



「ちょっとだけ!ほんの一瞬!でも、ほんとに死ぬかと思った…!」



私は顔を手で覆う。 思い出すだけで、体温が上がる。



「やばいじゃんそれ!青春じゃん!てか、先輩どうだった?動揺してた?」


「全然。『ごめん』って軽く言って、すぐ出てった。あの人、ほんと無神経」



花は爆笑してる。

私は、笑えない。



「でもさ~、そんなハプニングって、距離縮まるチャンスじゃない?」


「縮まらなくていい。むしろ、もっと離れてほしい」



お弁当の卵焼きが、いつもより味しない。