体育が終わって教室に戻ったら、颯くんがもう着替えて席についていた。
「あれ、早いね。……でも他の男子は?」
「柔道で足ひねっちゃったから、先に戻ってきたんだよ」
「えっ」
颯くんが椅子を引いて、足を見せる。
スラックスの裾がまくられていて、足首に包帯が巻かれていた。
「大丈夫……?」
「うん。座ってる分には平気。大会、終わった後でよかったよ」
そう言いながら弁当箱を出してくる。
「昼、一緒に食おうよ。足痛いから、あーんしてくれると助かる」
「それ、足関係ないよ」
「あはは、バレたか」
着替え終わった結と、柔道場から戻ってきた双葉くんも合流して一緒に昼を食べる。
「一ノ瀬、柔道部のやつにぶん投げられて、受け身に失敗したんだよ」
「言うなよ」
「そいつ、三枝のことが好きだったけど、一ノ瀬がもてあそんだってぶち切れてて」
「おお……」
「三角関係だ」
「ちょ、莉子も榎本も笑うなよ!」
颯くんは唇を尖らせるけど、自業自得だからかばえない。
「莉子、俺は莉子一筋だからな。あと19日で告白するから待ってて。その卵焼きも食わせて」
「それ、全然違う話じゃん。しょうがないなあ」
「柊、そいつ甘やかすと調子に乗るぞ」
「怪我してるときくらい優しくしろよ!」
怒ってる颯くんの口に、卵焼きを差し出した。
「あれ、早いね。……でも他の男子は?」
「柔道で足ひねっちゃったから、先に戻ってきたんだよ」
「えっ」
颯くんが椅子を引いて、足を見せる。
スラックスの裾がまくられていて、足首に包帯が巻かれていた。
「大丈夫……?」
「うん。座ってる分には平気。大会、終わった後でよかったよ」
そう言いながら弁当箱を出してくる。
「昼、一緒に食おうよ。足痛いから、あーんしてくれると助かる」
「それ、足関係ないよ」
「あはは、バレたか」
着替え終わった結と、柔道場から戻ってきた双葉くんも合流して一緒に昼を食べる。
「一ノ瀬、柔道部のやつにぶん投げられて、受け身に失敗したんだよ」
「言うなよ」
「そいつ、三枝のことが好きだったけど、一ノ瀬がもてあそんだってぶち切れてて」
「おお……」
「三角関係だ」
「ちょ、莉子も榎本も笑うなよ!」
颯くんは唇を尖らせるけど、自業自得だからかばえない。
「莉子、俺は莉子一筋だからな。あと19日で告白するから待ってて。その卵焼きも食わせて」
「それ、全然違う話じゃん。しょうがないなあ」
「柊、そいつ甘やかすと調子に乗るぞ」
「怪我してるときくらい優しくしろよ!」
怒ってる颯くんの口に、卵焼きを差し出した。



