朝の水やりを終えて教室に行くと、隣の席に、もう一ノ瀬は来ていた。
……結局、昨日のニャインの返事はできてない。
お兄ちゃんとのツーリングにはスマホを持っていかなかったし、帰ってからも電源を切って枕の下に隠してた。
今もカバンに入れたまま、電源は切ってある。
「莉子ち、おはよ。スマホ見た?」
カバンを机に置いたところで結が登校してきた。
「ううん。昨日の朝から見てない」
「もー、宿題教えてってニャインしたのに」
「ごめん。どれ?」
「……莉子ち、目、腫れてない?」
その瞬間、一ノ瀬が立ち上がって私の顔を見た。
結が目を丸くした。
「柊、あのさ」
「結と宿題するから」
「……わかった」
一ノ瀬は教室から出て行く。
私が座ると、結が顔をしかめた。
「なんかあった?」
「なんも。昨日の朝、一ノ瀬からニャイン来てて……返事したくないからスマホの電源切って、それっきり」
「なんてきたのさ」
「……何が嫌だったのか、教えてって」
「それ、話した方がいいんじゃないの?」
「……一ノ瀬の口から、メイサちゃんの名前聞きたくない」
「だからって、ずっと話さないのは、一ノ瀬が可哀想じゃない?」
正論だと思う。
……でも、もう少し気持ちの整理をさせてほしい。
今日は、始業式以来はじめて、一ノ瀬のカウントダウンを聞かなかった。
……結局、昨日のニャインの返事はできてない。
お兄ちゃんとのツーリングにはスマホを持っていかなかったし、帰ってからも電源を切って枕の下に隠してた。
今もカバンに入れたまま、電源は切ってある。
「莉子ち、おはよ。スマホ見た?」
カバンを机に置いたところで結が登校してきた。
「ううん。昨日の朝から見てない」
「もー、宿題教えてってニャインしたのに」
「ごめん。どれ?」
「……莉子ち、目、腫れてない?」
その瞬間、一ノ瀬が立ち上がって私の顔を見た。
結が目を丸くした。
「柊、あのさ」
「結と宿題するから」
「……わかった」
一ノ瀬は教室から出て行く。
私が座ると、結が顔をしかめた。
「なんかあった?」
「なんも。昨日の朝、一ノ瀬からニャイン来てて……返事したくないからスマホの電源切って、それっきり」
「なんてきたのさ」
「……何が嫌だったのか、教えてって」
「それ、話した方がいいんじゃないの?」
「……一ノ瀬の口から、メイサちゃんの名前聞きたくない」
「だからって、ずっと話さないのは、一ノ瀬が可哀想じゃない?」
正論だと思う。
……でも、もう少し気持ちの整理をさせてほしい。
今日は、始業式以来はじめて、一ノ瀬のカウントダウンを聞かなかった。



