2日目は保護者も来るから、校舎内は大混雑。
 私は昨日に続いて、お面をつけて看板を持つ、宣伝係。

 結と一通り周ってお化け屋敷に戻ると、受付には一ノ瀬がいて、遊びに来たメイサちゃんと喋ってた。


「颯のそのお面、どこで買ったの? めっちゃかわいい」

「おい、触んな。これは柊が俺に作ってくれたんだよ」

「そうなん? 柊ちゃん、器用なんだね。センスもあるし」

「そうだろー? 可愛くて器用で、頭よくてセンスあって、しかも可愛いんだ」

「……うっざ」


 ……私は、どうしたらいいの。
 隣で結がニヤニヤしてる。


「莉子ち、愛されてんねー」

「そ、そんなんじゃ……ない、でしょ」

「ちょっと見てなよ」

「えっ、結?」


 結はスタスタと受付に向かう。


「一ノ瀬ー、戻ったよー!」

「おかえり!!! ……あれ、柊は?」

「トイレ」

「そっか……」

「嘘だよ。莉子ちー」

「えっ、あ……」


 一ノ瀬がバッと顔を上げた。
 私を見つけるなり、満面の笑顔になって手を振ってくる。


「柊! おかえり!! あと66日!」

「もういいって……」


 メイサちゃんが呆れた顔で結に話しかけた。


「うわ……。ね、颯はいつもこうなん?」

「いつも、こうだよ」

「マジか。ベタボレじゃんね」

「ねー」


 恥ずかしすぎて、顔が溶けそうだ。