100日後、クラスの王子に告白されるらしい

 でも、そうやって浮かれてばかりもいられない。

 期末試験前だから。

 莉子は俺よりずっと成績がいい。

 足を引っ張りたくない。同じように隣に並びたい。

 だから、今回の試験はいつもよりずっと頑張ってる。

 莉子が苦手な英語や日本史を教えることもあるけれど、それ以上に、生物や数学、現国を教わることのほうが多い。

 悪いなと思ったけれど、莉子の


「教えると私の復習にもなるから」


 という言葉に甘えさせてもらってる。


「莉子、俺頑張るから」

「うん。一緒に頑張ろう」


 これからも、こうして手をつないで並んでいられるように。

 大好きな女の子が、ずっと隣で笑っていてくれるように。俺はその手を強く握った。