未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 途中、退魔依頼(いらい)受付カウンターでバタバタと人が走っているのが見えた。
有田(ありた)、C地区の屋敷の退魔依頼ってまだ誰も行ってないよな?」
植田(うえだ)さん、大丈夫です。さっき行ってもらいました」

「やべえよ、再調査の結果、上級のあやかしだったんだ!」
「低級の退魔師に行ってもらったんですよ、やばいじゃないですか」
 有田は青ざめて同僚を見た。

「誰? 早く連絡して中止して」
「えっと、茜結珠さんなんだけど……」
 龍真はおどろいてカウンターを飛びこえ、職員のうでをつかむ。

「わわ、なんだ君は」
「誰が退魔に行ったって!?」
 龍真がどなる。

「あ、茜結珠さん……」
「なぜひとりで行かせた!?」

「ふつうはひとりで行くものでしょう?」
 有田は困惑して答える。
 彼は新人で、結珠が必ず龍真とのペアでなくてはならないことを知らなかった。
 龍真は舌打ちした。

「場所はどこだ、俺が行く!」
「あなたは……」
 植田がとまどいながらたずねる。

「藤小路龍真、上級だ」
「あの有名な藤小路さん!?」