未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 退魔協会のフロアはどことなく市役所に似ていた。
 カウンターで仕切られ、来客の対応をする職員。奥には事務処理をする人たち。
 来客は主に退魔師と、退魔を依頼する人。

「退魔依頼は一番です。次の方……退魔師免許の更新ですね、五番へお進みください」
 受付の美人がにこにこと客をさばいていく。
 私もあれくらい美人だったらな、と結珠はため息をついた。

 そうしたら自信を持って龍真の隣にいられるだろうか。
 イケメンの龍真はどこへ行っても女性にモテモテで、彼に片想いをしている結珠はいつも気が気ではない。
 せめて退魔だけでもしっかりしたいと思うのに、それもできない。
 今日だって一発で仕留(しと)めることができなかった。

 スマホの御札は自分の力をこめて撃つので、力が足りなければ封印はできない。
 龍真は上級退魔師だから、本来ならもっと強いあやかしの退魔に駆り出されるはずであり、自分程度に関わっている場合ではないのだ。

「……はい、はい、すみません」
 ふと、電話で謝っている男性の声が聞こえた。
「低級のあやかしだからとあとまわしにしているわけではなくて、順番に退魔をしておりますので」
 職員がぺこぺこと頭を下げて電話の相手に謝っている。

「今すぐ来いとおっしゃられましても、人手が足りなくてですね」
「あの……」
 結珠は思わず話しかけていた。
「よかったら私、行きましょうか? 低級ですよね?」
 職員は驚いて結珠を見た。