未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

「逃げてくわ。このままじゃ退治できない」
 あせる結珠に、龍真は首をふる。
「今は逃げるのが先だ」
「そうかもだけど」
 結珠ははがゆい気持ちであやかしを見て、はっとする。

「本体は地下にいるのかも。屋敷のどこにもいなかったのに、水がわき出るように現れたから」
 結珠の言葉に龍真はうなずいた。
「本体の場所がわかれば封印もできそうだな」

 龍真は夜刀に声をかける。
「夜刀、本体をおびき出せるか?」
「それより屋敷ごと燃やそう」

「人間には悪影響だからやめてくれ。燃やさなくても夜刀ならできるだろう?」
「めんどうだな。猫又、地面を掘って本体をえぐり出せ」
 夜刀がタマに言う。

「猫又は犬じゃないから地面はほらないにゃ」
「役に立たんな」
「にゃんだと!」
 夜刀の言葉にタマが反論する。

「タマ、落ち着いて」
 結珠はタマをなでてなだめる。
「夜刀、からかうな」
 あきれたような龍真の言葉に、夜刀がふっと笑う。