未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 黒龍と龍真が中に入った直後、結界を張り直す。
「結珠!」
 龍真の叫びは、今度は結珠に届いた。

「龍ちゃん!」
 結珠はほっとしたように彼の名を呼んだ。
 直後、雨どいが彼女の重みで屋根から外れ、崩れるように倒れる。

「きゃああ!」
「夜刀!」
「承知」
 黒龍はするりと舞いおり、その前足で結珠をさっと掴む。

 間一髪、アメーバに落ちる前に黒龍の前足に救われた。
 黒龍は結珠と龍真を二階の屋根に降ろし、自身は空中に待つ。

「結珠、大丈夫か」
「平気」
「良かった……!」
 龍真はぎゅっと結珠をだきしめる。

「結珠がいなくなったら俺は生きていけない」
「ちょっと待ってよ」
 結珠はじたばたするが、龍はさらにぎゅうっと力をこめて結珠をだきしめる。

「とにかく今はあれをどうにかしないと」
 結珠が言うと、龍真はしぶしぶのように離れた。

「夜刀に任せれば一発だろう。夜刀、たのむ」
「龍使いの荒いご主人だ」
 あきれたように言い、夜刀はふうっと息を吹いた。
 その息は黒い炎となってアメーバにおそいかかる。炎に巻かれたアメーバは苦し気にのたうち回り、小さくなっていく。