未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 それに向けて攻撃の御札を射出しようとしたが、アプリがふいに強制終了した。
「なんでっ!」
 結珠はあわててアプリを再起動するが、『本体の温度が上昇しているため、アプリを終了します』とエラーメッセージが出る。

「ああもう! 屋根の上に逃げよう」
「わかったにゃ」
 ふたりはいったんまどから屋根に出る。
 その直後、部屋のドアがバン! と開いて相手アメーバが部屋にあふれた。結珠はあわててまどを閉めた。

「もうもどれないにゃ」
 タマは絶望的につぶやく。
 結珠は一階の軒下(のきした)まで達したアメーバを覗き込む。
 なにか骨のようなものが見えた。やはり生命体を溶かして食べるタイプのようだ。

「早く行って。投げるよ」
 結珠はタマをだき上げると二階の屋根に放り上げた。
「にゃあああ!」
 悲鳴を上げて飛んでいったタマは、空中で体をひねって見事に着地した。

「結珠も早く!」
 タマに催促(さいそく)され、結珠は雨どいに手をかけ、登る。ぐらぐらして、いつ折れるかわからない。
「結珠!」
 かけられた声に、結珠はそちらを見る。

 結界の中に、龍に乗った龍真がいた。
「龍ちゃん!」
 結珠がほっとした瞬間(しゅんかん)

 ばきばき!
 大きな音と共に、雨どいが崩れ始める。
「きゃああ!」
 悲鳴を残し、結珠の体はアメーバに向かって落ちて行った。