未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 土も水も風もすべて試したが、効果はうすかった。いつもならもう少し手ごたえがあるのに。攻撃がきかないために上級に認定されたのだろう。
 外のアメーバも一階の屋根のあたりまで増えていた。

 どうしよう、となやんで庭をながめ、ふと気が付いた。
 庭の木も家自体も、溶かされていない。
 大きな害のないあやかしなのだろうか?

 だが、あれに飲み込まれたら息ができないだろう。
 結界を解除したら、と考えて首をふる。
 外にあふれたら大変なことになりそうだ。それに、結珠が来たとたんに現れた。意外に思考力があるかもしれない。そもそも、あのアメーバ状のものは本体だろうか。

「結珠!」
 タマが悲鳴のように名を呼んだ。
 ふり返ると、ドアのすきまからあやかしが忍び込んできていた。
 仕方なく攻撃の御札を投げる。攻撃は効果がうすくてもいやなのか、スピードがおそくなった。が、ゆるゆると侵入(しんにゅう)は続く。
 結珠は攻撃を続け、御札の残りはどんどん減っていった。

「どうしたらいいの」
 結珠は青ざめてつぶやいた。
 断続的に攻撃を続け、なんとか部屋の侵入を(はば)み続ける。

 だが、アメーバは徐々に着実に増える。
 スマホが熱くなってきて御札は残り少なく、限界が近かった。

「龍真様はまだかにゃ」
 タマはおろおろとつぶやく。
 ドアから侵入したアメーバの一部が、手をのばすかのようにのびてくる。