未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

「退魔協会から電話だよ。なんだろ」
 タマに言ってから通話をタップした。
「はい、茜です」
「茜さん、今どこ? すぐに逃げて!」
 名乗りもせずに相手の男は言った。

「たのんだあやかし、上級だった。すぐ逃げて!」
「は、はい!」

「藤小路さんが向かってるから合流して、指示に従って」
「わかりました」
 通話を切り、タマを見る。

「退魔中止だよ。帰ろう」
「出くわす前でよかったにゃ」
 通話を聞いていたタマはほっとしたように言う。
 ふたりで階段に向かうが、その足は直前で止まった。

「うそ……」
「にゃんだこれ!」
 階段は半分くらいがアメーバのようなものでうまっていた。

「いないと見せかけて退路を塞いだんにゃ」
 タマが怯えたように言う。
 アメーバは水かさを増すように少しずつ増えてくる。

 結珠はスマホを出して構えた。ターゲットマークにあやかしをとらえ、封印の御札をシュッと射出する。
 だが、あやかしにはじかれた。

「効かないか」
 低級用の御札だから効果がなくても当然だ。