「うちの周りで、なに うろついてんだ?」
「そ、その…用が、あって…」
気持ち、低めの声で答えると、彼らは「用?」と眉根を寄せて顔を見合わせた。
ドキドキしながらようすを見ていると、短い茶髪の男子が私に視線を向ける。
「おまえ、さては…」
「…!」
もしかして、女だってバレた…!?
息を飲んで、体がこわばるのを感じる。
「新入り希望か!?はっはっは、えんりょすんな、入れよ」
「えっ…?」
予想を裏切る言葉を聞いて目を見開けば、近づいてきた彼に強めの力で肩をたたかれて、今度は痛みで眉をひそめることになった。
歩き出した他の男子たちが私を通り越して倉庫の入り口へ向かうと、「ほら、来いよ」と茶髪の男子が私に声をかけてくる。
“ちがう”と答えることもできないまま、私は離れていく彼の背中を早足で追いかけて、どうしよう、と口元を押さえた。



