「Valorだ!てめぇらMaliceをぶっつぶしに来た!」
それから一呼吸も置かずに、大きな大きな声が近辺にひびく。
倉庫のなかにいた男子たちは、「なに!?」と一斉にけわしい顔をして出入口をにらんだ。
Valor…!?一改くんが今いるチームが、攻めてきた…!?
「今までの礼をしてやる!」
声をあげながら、倉庫のなかになだれこんで来たValorの人たちが、Maliceの人たちとあちこちで なぐり合いのケンカを始める。
そのなかには、Maliceの人たちとこぶしを交えながら、なにかを探すようにあたりを見まわしている一改くんの姿もあった。
どうしよう、と壁に張りついたまま口を押さえて声がもれないようにしていると、倉庫のなかの喧騒にまぎれるようにして、第二陣がひっそりと入ってくる。



