倉庫わきに停めていたバイクに次々とまたがるMaliceの人たちを見て、“自分は運転できない”と自己申告すると、私は茶髪の男子のうしろに乗せられた。
走り出したバイクから落ちないように、必死でシートにつかまって耐えることしばらく。
どこかの路地裏にバイクが止まって、地面に足を下ろすことができたとき、私の腕と太ももは、“無傷”の代償にプルプルとふるえていた。
バイクなんて、初めて乗った…まだ心臓がドキドキしてる…。
「はっ、小ジカみてぇだな。気合入れろよ、新入り。Valorの倉庫はすぐそこだ」
茶髪の男子に笑われても、ケガをすることなくバイクを下りられたことのほうがうれしい。
バイクを停めたまま、どこかへ歩き出した茶髪の男子を追いかけて周りを見まわすと、倉庫を出たときより周囲にいる人数が減っていることに気づいた。
そのうえ、3グループに分かれるように、数人ずつ べつの方向へ歩き出している。



