「…あ、どこに…ですか?」 「聞いてただろ、Valor(ヴァラー)を痛めつけに行くんだよ」 「え…わ、…ボクも、ですか…!?」 でも私、あの男の子にお礼を伝えに来ただけなのに、とあせる気持ちをムシするように、茶髪の男子は眉根を寄せて私を見る。 「あたりまえだろ、“新入り”」 彼のほかにも、ぞろぞろと倉庫を出ていく不良男子たちの波に流されるように、私は足を踏み入れたばかりの倉庫から、外へ引き返すことになった。