「ふん…野郎じゃなかったらコレクションに加えたのにな」
そう言い捨てて、“総長”が2階の奥の部屋に姿を消すと、はぁっと肺が動き出す。
私…あの男の子に助けられなかったら、壁ぎわの女の子たちみたいに、ここで捕まってたんだ…。
バクバクと音を立てる胸を押さえて、私は浅い呼吸を重ねながら、私がなるはずだった“未来”を横目に見た。
「ふぅ…ほら、行くぞ」
「っ、え…?」
“コレクション”の女の子たちを見て、唇を引き結んだそのとき、ポンと肩をたたかれて、ハッと我に返る。
となりを見ると、茶髪の男子が倉庫の外に体を向けていた。



