手を握ってくれたあなたともう一度

「トキ!」

事情を聞いていたラースはすぐさまサザネからトキをおろすと処置を始めた。

「サザネ、リアラちゃんは?一緒じゃなかったの?」

息を整えているサザネにマヒリが問いかける。

「そのことでゼスに話が、」

「なんだ」

「ゼス、大変だ。リアラが」

サザネは自分が見たことを全て話した。

「嘘、だろ・・・」

ミツノは信じられないのか目を丸くしたままサザネの話を聞いていた。

「ゼス、指示を」

話し終えたサザネは最後にそう付け加えた。

「・・・」

考え込んでいるゼスを魔法団のメンバーは静かに見つめる。

「俺とサザネでリアラの救出へ
トルアは村の外まで村人たちの捜索を。
ミツノ、マヒリは引き続き救護班の手伝いと村内の捜索、避難所の警護を頼む」

ゼスの指示に魔法団のメンバーは力強く頷く。
運よくメンバーが救護班のテントに集まったタイミングだったのもあり、状況を全員が把握することが出来た。

「妖怪だがリアラがカラス天狗を倒していた。
他はどうだ?」

「僕は2体」
「俺は3体」

マヒリ、ミツノに続き「俺は1体だ」とトルアも続いた。

「俺も1体葬ったから残りは2体か。
・・・何が何でもみんなを守れ!最後まで気は抜くなよ!」

ゼスはそう叫ぶとサザネとともに救護班のテントを後にした。