走りながらリアラはラースが言った言葉を思い出していた。
”ゼスからの伝言”
普段はお兄ちゃんと呼んでいるのに敢えてゼスと呼んでいるところからすると
あれは魔法団の団長としての命令、と受け取っていい。
それくらい今のこの状況はかなり危険なものなんだと改めてリアラは感じる。
いまだに目視で妖怪を確認していないリアラだったが村人たちの表情を見ていると
嫌な予感が風船のように膨らんでくるのを感じていた。
集会所の付近まで来ると人もだんだんと増えていった。
もう少しで集会所に着く、というときに
「あの!見かけていませんか!あの!!」
女性の緊迫したような声が聞こえた。
無意識に声の主を探したリアラの視界に入ったのは涙を流しながら村人たちに声をかけるトキの母親の姿だった。
「どうしたんですか?」
リアラはすぐさま駆け寄り、声をかける。
「あ!あなたは昨日の!
あ、あのトキを見かけませんでしたか?」
「ここに来るまでの間には見ていないです。
いないんですか?」
「はい・・、ここまで来るときに妖怪に襲われたんです。
私を守ろうとトキが異能の力を使ったのですが妖怪には効かなくて。
トキを連れて一緒に逃げようとしたら突然目も開けていられないくらいの強い風が吹いたんです。
それで目を開けたときにはもうトキの姿がなくて」
焦りと不安からか早口で母親は話していたが、リアラは状況を把握した。
”ゼスからの伝言”
普段はお兄ちゃんと呼んでいるのに敢えてゼスと呼んでいるところからすると
あれは魔法団の団長としての命令、と受け取っていい。
それくらい今のこの状況はかなり危険なものなんだと改めてリアラは感じる。
いまだに目視で妖怪を確認していないリアラだったが村人たちの表情を見ていると
嫌な予感が風船のように膨らんでくるのを感じていた。
集会所の付近まで来ると人もだんだんと増えていった。
もう少しで集会所に着く、というときに
「あの!見かけていませんか!あの!!」
女性の緊迫したような声が聞こえた。
無意識に声の主を探したリアラの視界に入ったのは涙を流しながら村人たちに声をかけるトキの母親の姿だった。
「どうしたんですか?」
リアラはすぐさま駆け寄り、声をかける。
「あ!あなたは昨日の!
あ、あのトキを見かけませんでしたか?」
「ここに来るまでの間には見ていないです。
いないんですか?」
「はい・・、ここまで来るときに妖怪に襲われたんです。
私を守ろうとトキが異能の力を使ったのですが妖怪には効かなくて。
トキを連れて一緒に逃げようとしたら突然目も開けていられないくらいの強い風が吹いたんです。
それで目を開けたときにはもうトキの姿がなくて」
焦りと不安からか早口で母親は話していたが、リアラは状況を把握した。

