手を握ってくれたあなたともう一度

「2人はやっぱりそうだよね」

想像通りの答えだったのかラースはクスクスと笑った。

「それじゃあ、リアラ、ミツノ、マヒリ!行こっか!」

4人は並んで集会所の奥の方に向かって歩き始める。
ゼスとサザネは4人と反対方向に。
トルアは村の出口へと向かった。

「私のターンって言ってたけど、みんなで遊ぶことは拒否しなかったんだね」

リアラが不意に思ったことを伝えると

「みんなで楽しいことをしたらもっと楽しくなるし、リアラが楽しいって思ってくれたら私は嬉しいから」

さらりと恥ずかしがることもなく、ラースは笑って答えた。

「そっか、ありがとう」

リアラもまた笑ってお礼を伝える。
キャッキャと楽しそうに話すラースとリアラの後ろに少し距離をとって並んで歩いていたミツノとマヒリ。

「リアラちゃんってさ、妖怪のことで何か抱えてるものありそうだよね」

聞こえないようにコソッとマヒリがミツノに伝える。

「あぁ。恐らく。そしてきっとそれはゼス、サザネ、トルアも気付いてるはずだ」

「うん、僕もそう思う」

笑っているリアラの横顔を見つめる2人。

「守らないとね、僕たちが」

「そうだな、それが俺たちの役目だ」

普段、お調子者に思われている2人だが正義感はかなり強く、ゼスも一目置くほどだった。

「ミツノ!マヒリ!こっち来てー!」

ラースの声に2人はパッと表情を明るいものに変えると、笑顔で手招きをしているラース、リアラの元へ駆け寄っていく。
いつどのタイミングで妖怪が襲ってくるか分からない。
2人は警戒心を強めながら、ラース、リアラと楽しい時間を共に過ごした。