手を握ってくれたあなたともう一度

「俺たちに敬語はなしでいい。ラースと話すように話してくれ。
あまり堅苦しいのは好きじゃない」

言われるまで気が付かなかったが、リアラは無意識に魔法団のメンバーにだけ敬語を使っていた。

「わかった、これからはそうするね」

「あぁ」

「よーし!それじゃあ今から遊ぼう!リアラ!」

がっちりリアラの腕を組んだラースはゼスたちに

「ずっとみんなに取られてたから今からは私のターンだからね!」

と大きな声で伝えるとベーッと舌を出した。

「ラ、ラース?」

戸惑いながらも声をかけるリアラ。

「ずっとみんなで話してたんでしょー?
私はまだ全然話せてない!
お兄ちゃんたちとの会話が落ち着くの待ってたんだからもういいでしょ・・・?」

シュンと子犬のような表情をされたらリアラは何も言えない。

「俺たちも時間をとって悪かったな。
今日はもう思う存分楽しんでくれ」

ゼスがそう言うとミツノ、マヒリが「俺たちも一緒に行く!」と言い出した。

「みんなで遊んだほうが楽しいから一緒に行こー!サザネ、トルアはどうする?」

ラースの問いにサザネは「俺はゼスの仕事の手伝いをする」と答え、
トルアは「森の見回りに行ってくる」と答えた。