手を握ってくれたあなたともう一度

「頼もしいな」

その声が聞こえたとき、トキは嬉しそうにその人物を見上げた。

「ゼス！！！」

「トキ、久しぶりだな」

嬉しそうに笑うトキに微笑みながらゼスは頭を撫でる。

「今日も格好いいね！」

キラキラした目でゼスを見るトキをサザネは優しげな表情で見つめていた。

「ありがとう、トキもさっきの言葉格好良かったぞ。リアラを一緒に守ろうな」

「うん！」と言いながらトキはリアラと繋がれた手をギュッと更に握った。
気恥ずかしかったリアラだったが嬉しい気持ちもあるため、握られた手を振り払うことなく受け入れた。

「あ、そうだ。ゼスに会えたら聞きたいことがあったんだ」

不意に思い出したのかリアラと手を繋いだままトキは話し出す。

「妖怪がまた現れたって本当？お母さんから聞いたんだけど」

トキの言葉に、ミツノ、マヒリ、トルア、サザネの顔色が変わった。
ゼスだけは表情を変えずに落ち着いた声でトキの問いに答える。

「あぁ、本当だ。でも安心しろ。俺たちが必ず守るからな」

トキと同じ目線になるよう、地面に片膝をつき、安心させるように頭をそっと撫でた。

「任せとけ！」

突然、自分の胸をドンっと強く叩いたミツノ。
その言葉にリアラはあることに気付く。